抜歯と禁酒

30代、会社員、酒、本、バンギャ。

おじさんは帰ってきたが私は孤独へ帰る

立飲み屋で失踪説が出ていたおじさんがまた普通に通い始めた。

九州方面に長期で出張する仕事があり、そこに行っていただけだったようだ。「死んだとか言わないでよ~」と言っていたが、おじさんは以前も同じような失踪説が出たことがあるらしい。

人間関係が何もかも嫌になってアパートも引き払って電話番号も変えてしまうことが数年に一度の頻度であるらしい。

手に職がある人だからできるけれど、特に技能のない会社員がやろうとするとなかなかやんなとは思うものの、やろうと思えばできることなのだなとも思う。

 

実家でややこしい問題が勃発しており、いったんは小康状態になっているものの、根本的な解決に向けていろいろな手続きを行っている。

年内あるいは2~3年かかるかもしれないが、なんとかやっつけるしかないだろう。

身近な人でわれわれの置かれた状況について、知ったような口をきく人がいるので殺意を感じるが、それもうちの家が常識と照らして明らかにおかしいのだからしょうがないよなとも思う。

 

今日から「82年生まれ、キム・ジヨン」を読んでいる。

普通に面白いよい小説なのだけれど、いろいろな女性差別が出てくるので読み進めることがシンプルにきつい。

表面的には優しくて信頼していた人が差別的な言動をしているような事例は特につらいよねと思う。

 

最近、講談師の神田松之丞にはまっている。

新宿末廣亭で見たのだが、寄席のどことなくゆるい感じもいいし、どの人も舞台に立ったら一人あるいはそのコンビだけでどうにかしなくてはならないのも命張ってる感があっていいなあと思った。

松之丞の講談は、熱演っぷり、技能に裏打ちされた緻密な計算、場を俯瞰して客の首根っこをつかんでぐいぐい引きずりこんでいくところなど、才能があったうえで、それに輪をかけて努力を積み重ねて今この芸ができているんだろうなと感銘を受けた。

何かを情熱的にやっている人はいいなと思う。

あとは消しようもない孤独の気配というか影がいいなと思う。

これまで好きなってきた演芸なり音楽なり小説なり、なんでもそういう人が多いなと思った。漫談も一人だし、ストリップも基本は一人だし、吉井和哉だって今は恵まれているかもしれないけれど、根っこのところにはどうしようもない孤独がある。

 

これから結婚するようなことがあったり、家族とまた一緒に住み始めたりしても、自分はこのままでいくのだろうなと思うし、もうそれでいい。