猪はあぶないよ
マネジメントのできない上司、仕事ができず責任感もまったくないのに給料ばかり高いおじさん、仕事はできるものの気にそぐわないことがあるとヒステリックに怒り散らす先輩などに囲まれ、しわしわのピカチュウのようになる日もありますが、元気に暮らしております。
台風による被害はなかったのですが、暴風雨の音がすごく、雨戸がないタイプの家のためビクビクして過ごしました。
河川の水位が上がったため避難する猪の動画をTwitterに投稿している方を見かけましたが、私の育ったような僻地では、毎年 猪に突撃されて重傷を負う方が一定数います。もの珍しいのはわかりますが、くれぐれも近づかないようにしてください。
先日、渋谷らくごを見に行きました。立川吉笑と春風亭昇々の回でした。
どちらもめちゃくちゃおもしろかったのですが、特に昇々さんの落語は女性がキーパーソンになっており、子どもを早生まれにしたくないからといって陣痛を我慢している女性とか、子どものお受験のために熱烈に面接指導をする女性とかが出てきます。
早生まれの子どもは遅生まれの子よりも成長していない状態で小学校に入らなくてはいけないため、勉強が遅れるとか体が小さいからいじめられるリスクが高いから早生まれはいやだ!という主張をします。だんだん成長していけば大したあれではないのですが、小学校低学年の段階での月齢の差はそれなりのインパクトがあり、その女性が主張することは一定の合理性があるわけです。
とはいえ、生まれてくるタイミングは基本的に操作できるものでもないし、大人になってしまえば大したことでもないんだから、産まれそうになったら産んだらいいじゃないと思うのですが、自分の子どもの将来のことを思ったらそうはいかないぜ!という彼女の切実さは度を通り越しておもしろいことになっているのです。
こういう人、本当にいそう~ということと、その本人の持っている切実さはバカにできないし、他人にはどうにもできないのよね、ということと、それをしぐさや表情や声色などすべてを駆使して表現していく、この芸能ってクリエイティブだわ~と感激して家に帰りました。
神田松之丞にはまったのをきっかけに、若手の落語家も色々と見ているのですが、わたしが関心を持っているのは、この21世紀のデジタルなAIなシンギュラリティなこの時代に、あえてある意味アナログな伝統芸能の世界に飛び込んでいく同年代や、もっと若い年代の人って、どういう気持ちで、何を成し遂げたいと思っているんだろうということです。
彼/女たちを追いかけて、何かがわかるかもしれないし、わからないかもしれないけれど、どんなエンタメでもやっぱり現場っていいよね。